大江山

平成21年4月29日(祝)第16回賀茂川荘薪能

 能「大江山」は源頼光が 大江山に住む酒呑童子を退治するお馴染みの『大江山の鬼退治』の話です。
 さて、この能の後シテは緋の長袴をつけています。緋の長袴とは本来女性のみ身につけるものであります。では、なぜ鬼の姿の酒呑童子が?ということなります。
 実はこの袴を身に着けてよい男性が、此の世に只一人だけいます。それは帝です。天に二日無く地に二王無き帝を気取る酒天童子は朝廷にとって絶対悪であり、その驕りは、許すべからざるものでしょう。この朝廷に対する叛逆ゆえ尚一層この鬼が勅命により、討たれねばならぬ必然が生じるのです。