どうみょうじ

平成18年7月15日上田定式能

後シテ
天女 上田宜照

前シテ(ツレ上田彰敏)

相模の国田代の僧、尊性が善光寺に参籠した時の霊夢により、河内の国土師寺へ参ります。
土師寺の仏神に仕える老人と男に「善光寺で七日間参籠していると、如来の厨子の戸を開き、香の衣に香の袈裟をかけた老僧が、あらたなる御声で、汝には念仏往生の志があるので土師寺は天神のご在所であり、天神をはじめ七社の神々を勧請されている。また天神(菅丞相、菅原道真)は一切衆生現当二世(全ての人々の現世と来世)の為、五部の大乗経を書き供養して埋め、その軸より木_樹の木が生い出で、その木の実を採り数珠とし、念仏百万遍申せば往生疑いないと承った。」と霊夢を語ります。
老人は喜び、木_樹を見せます。尊性は神も仏も一体とは申しながら、天神同意の結縁を初めて知ったと喜ぶと、「今に始めぬ天神の彌陀一体の御値遇。天神と申すにその御本地、救世観音にてましまさずや。」昔から天神と弥陀は一体で、天神の本地は救世観音と言われ、「昔在霊山名法華、今在西方名阿弥陀、娑婆示現観世音、三世利益同一体。」「神や仏とは、ただこれ水波の隔てにて、神仏一如。」と尊性も老人も男も神力も仏説も拝む事は尊いと讃えます。
老人は、天神(菅丞相)が大宰府にいく時、土師の里に旅宿しさまざまの神物を留めた事、大宰府へ赴き、涙を百千行流し、生きての恨み死しての喜び、天満天神との縁起を物語り、自分は天神の使い、白大夫の神と名のり、木_樹の実を必ず授けると言い、失せてしまいます。
天女が現れ、白太夫の神を呼び出し、共に舞を舞い、仏を敬い、魔縁を払い、寿福を招き、民を養い、命を延べ、木_樹の実をふるい落として尊性に与え、道明寺の鐘鼓に、尊性の夢は覚めます。
以前、道明寺で能があった時、その第一回目に、天満宮の社殿のすぐ傍の木_樹を見せて頂き、出演者一同、その身を頂戴した事があります。今も大切にさせて頂いております。また、第三回目の時には、私が仕舞「道明寺」をその場で舞わせて頂いた事も忘れられません。
「道明寺」の能により、改めて日頃の生活を思い返しております。

平成18年7月15日上田定式能 「道明寺」 上田拓司